ペットを飼うならば覚えてほしい8つの心構え

ペットブームの到来、そして新型コロナウイルスの影響によって、ペットを飼う人が増えています。しかし、可愛い動物は人々の癒しの場所であり、ペットを家族として愛する優しい飼い主たちが多い一方で、安価で買える事から【闇】の側面も見え隠れしているのです。

そう、理不尽な理由でペットを捨ててしまう人たちです。動物を飼うという行為はいわば人間のエゴ、ならば最期まで面倒を見るのが人としての道理なはず。にも関わらず、日本では実に1日に65匹が殺処分されています。飼い主となった以上、ペットとちゃんと向き合い愛する責任があるのです。

今回は、ペットを飼うのであれば絶対に覚えて欲しい8つの心構えについてお話していきます。

1ペットを飼うための心構え

ペットは飼い主を癒す存在ではありますが、そのためだけに生きているわけではありません。一個の命として、その生涯を懸命に生きているのです。ならば、飼い主としてその生涯を最期まで支えることが、【ペットを飼う】という事ではないでしょうか?

それでは、ここから8つの心構えをご紹介します。

1.1心構えその1、ペットを飼える部屋で飼うこと!

近年、ペットOKの賃貸も増えてきましたが、それでも【賃貸=基本はペット不可】という図式は変わっていません。にも関わらず、可哀想だからという理由で大家さんや管理人に内緒でペットを飼っているという人も一定数います。もし許可も得ずにこういった行為をすると、強制退去や契約違反で罰金を支払うことになります。仮にそういった処罰がないとしても、動物をどこかに預けるか、それとも自分が出ていくかの選択をすることになるでしょう。

そもそも、こういったペット不可の賃貸はちゃんとした理由があって【ペット不可】としているのです。退去費用を抑えるため、住民トラブルを避けるため、大家さんがアレルギー持ちなど……ペット不可だからという理由で住む人も多いでしょう。それを、「バレないようにするから」とルールを破るような行為は絶対にしてはいけません。

また、例え持ち家だからって、部屋のサイズに見合わないペットを飼うのも控えてほしいところ。特に日本は大型犬など、大きなペットが快適に暮らせるような家は少ないです。無理に狭い部屋で飼おうとすると、ペットもストレスを貯めてしまいます。

【賃貸はペットOKの場所】【部屋のサイズに合ったペットを選ぶ】この2点はペットを飼う上でぜひ意識してください。

1.2心構えその2、家族で飼う場合は満場一致であること!

家族で住んでいる場合は、ちゃんと家族全員が肯定的でないと後々トラブルの原因になるかもしれません。家族の誰かがアレルギー持ちだったり、ペットが嫌いな人もいる可能性がありますよね。それに、家族には家族の時間というものがあります。

ペットを飼うということは、少なからずそこに住んでいる人たち全員に影響が出ること。普段は自分がお世話していても、何か用事があった時は家族の誰かにお世話を任せる事もあるでしょう。そうでなくとも、例えば鳴く動物や適切な室温・湿度調整が必要な動物は、否が応でも家族を巻き込みます。

【ペットを飼うということは、家族で飼うということ】を意識してください。

1.3心構えその3、十分な資金があること!

ペットを飼うとき、意外と意識していない方が多いのがこの金銭的な負担。例えば、トイプードルの子犬を飼うとしましょう。すると、大体以下の費用が必要になります。

・トイプードル

およそ10〜20万円

・狂犬病ワクチン初期費用

おそよ3,500円

・サークルやトイレなどのグッズ用品

およそ30,000円

と大体初期費用としてはこのようになるでしょう。

ここから更に、保険や混合ワクチンも視野に入れなくてはいけません。そしていざ飼うとなるとエサ代などの継続的な費用もかかります。そして最も油断しがちなのが突発的なケガや病気の治療費です。例として挙げたトイプードル(犬)ですと、特に多いとされる白内障はおよそ30万円ほどかかると言われています。

【ペットを飼う時は金銭的な余裕をもつ】事を意識してください。

1.4心構えその4、ペットの為に自分の時間を割くこと!

ペットを飼うと、今までの1日のスケジュールに【ペットのお世話】が入り込みます。食事を与え、体調を見て、しつけを行い、甘えてきたら構い、犬の場合は散歩もする……とペットのためにかける時間はかなり多いものです。そうなると、今まで当たり前にしてきた事が出来なくなる可能性があります。

例えば、旅行。ペットホテルはお金もかかりますし、慣れない環境でストレスを貯める子も多い。かといって留守番はもってのほかとなると、長期旅行はほぼ無理といって良いでしょう。たまの休日はペットを健康診断に連れていき、足りなくなったエサを購入しに買い物に出かけるなんて日もあります。当然、自分一人の時間なんてものは、少なくても家では無くなります。

【ペットのために自分の時間を捧げなくてはならない】事を覚えておきましょう。

1.5心構えその5、飼い主としてペットの行動に責任を持つこと!

動物というのは、私たち人間の言葉をある程度しか理解できません。にも関わらず、ペットになれば人間の社会に紛れて暮らしていくことになります。そして、飼い主とはそのペットが何かした、何かあった時に責任を取る必要があるのです。

誰かに噛み付いてケガを負わせた、子供を作っていたなど、動物からしてみれば防衛や生存本能故の行動であっても、他人から見ればただの迷惑行動でしかありません。場合によっては裁判沙汰や警察沙汰になることもあるでしょう。もちろんそういった事を未然に防ぐためにしつけは必須ですが、それでも事故を起こす可能性がゼロではありません。

【問題を起こさないように対策をする】【何かあった時の責任を取る】この2点を覚えておきましょう。

1.6心構えその6、高齢期になっても介護すること!

ペットの面倒を見ると決めた時、ペットはまだ子供、若しくはまだ若い時である事が多いでしょう。しかし、生きとし生けるものは皆老いるもの、ペットにも高齢期という段階が必ずやってきます。筋肉は衰え、骨は脆くなり、五感も鈍くなり、情緒が不安定になる……そんな高齢期に突入した時、飼い主は介護する覚悟をしなくてはいけません。

食事の内容や健康診断、身体能力の低下を防ぐための運動など、飼い主とペットを取り巻く環境は大幅に変わります。そして、少なからず飼い主にかかる負担や費用も増えていくことでしょう。実際、その覚悟ができずに【高齢になったから】と捨てる悪質な飼い主も一定数います。

【高齢期に突入した時にはちゃんと介護する】事は忘れずに。

1.7心構えその7、弔いの時は必ずやってくる!

大切なペットとの死別は耐え難いものではありますが、ちゃんとした弔いをするのも飼い主の務め。特に犬は手続きが必要なペットの1匹です。

犬の場合は死後30日以内に市役所に死亡届を提出する義務があります。これは狂犬病予防法に基づいたもので、怠れば市は犬の死亡を確認できず、予防ワクチン接種の連絡を送ってきます。そうなると、犬はいないのにワクチン接種をしなくてはいけない状態になるため、罰則の対象になってしまうのです。

生きている以上、どこかでお別れの時はやってきます。その時の後悔を一つでも減らせるよう、ペットに沢山の愛情を注いであげましょう。

【ペットが亡くなっても飼い主の責務がある】事は覚えておきましょう。

1.8心構えその8、ペットは最期まで育てること!

ペットを最後まで飼う……当たり前であり、それでいて問題になっています。飼い主として最低条件とも言えることですが、未だ捨て犬や捨て猫が多い事や殺処分される犬猫が多い事を考えると、やはり覚悟が足りない人たちが多いと言えるのが現状です。

まず大前提として、保健所に届けられた犬猫の内、一般譲渡されるのはほぼ子供のみ。高齢や病気持ちの場合、殺処分される事の方が多いでしょう。では殺処分する方が悪いのか……いいえ、殺処分しなくてはならない状況を作り出す悪質な元飼い主たちが悪いのです。

子犬を見て可愛いからと飼った飼い主が「大きくなって可愛く無くなった」からと捨て、面倒を見ると意気込んでいた飼い主が「思ったよりお金がかかるから」と捨てている……ペットブームの裏側には少なからずこういった闇が隠れています。

【ペットはただの暇つぶしの道具じゃない】【命を飼うということ】この2点は忘れずに心に留めておきましょう。

2ペットはちゃんと生きています

ペットを飼う、それは命を育てることと同義です。ご飯を与え、しつけをして、沢山可愛がる。ペットはただの可愛いおもちゃでもぬいぐるみでもなく、一つの生命です。ペットブームの到来以降、ペットの需要はペットショップの増加を促し、そして心無い飼い主を増やす闇を抱えるようになりました。

捨てられたペットは殺処分される、それを防ぐべくある程度はボランティア団体などが保護している事もありますが、それでも全員ではありません。そして、そんな状況下で憎むべきは殺処分を決定する行政ではなく、そんな決定をさせてしまう元飼い主たちです。

もしこれからペットを飼いたい方がこの記事を読んでくださっているのなら、どうか最期までペットを愛し育ててください。ペットにとって飼い主は自分の運命を託さねばならない相手なのですから。

想花コラム